空腹感でヤケ喰いということはよくある話ですが、ストレスは関係するのでしょうか?
ストレスの原因には精神的なものと肉体的なものがありますが、空腹によるストレスも存在します。これは肉体的な原因によるストレスということになりますが、そのメカニズムは次の通りです。
まず脳が空腹感を覚えると、脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが分泌されます。このホルモンは副腎を刺激し、その結果副腎皮質ホルモンが分泌されます。
副腎皮質刺激ホルモンにより、副腎の内側からアドレナリン・ノルアドレナリンやモルヒネ様物質が分泌されます。
これらの物質は全て、脂肪の分解を促進する機能があります。脂肪の分解により、遊離脂肪酸が増加し、その結果空腹感を感じます。
これは空腹感を感じた時の通常の機能ですが、問題はこの一連の流れが交感神経を介して機能していることです。脂肪細胞には交感神経がつながっているため、交感神経が活発に活動すると、脂肪細胞は分解され、その結果空腹感を伝える信号が脳に伝達されるというわけです。
ところが、ここで身体(脳)がストレスを感じていると、その分交換神経が過敏に反応します。それはすなわち脂肪細胞の分解を促進させ、より強く空腹感を感じることになります。また空腹時には、脳下垂体から成長ホルモンが分泌され、これによってさらに脂肪の分解が進みます。
つまり、空腹を感じるメカニズムが、ストレスがかかることによって拍車がかかり、摂食中枢を強烈に刺激してしまうため、空腹感が増大するというわけです。
ストレスによって増大した空腹感は、さらにストレスを増大させます。このイライラによってさらに空腹感が増し、それがまたストレスを強化するという悪循環は「正のフィードバック」と呼ばれています。よって、ストレスがあまり増えないうちに、飴玉でも舐めて脂肪細胞の分解を止めることが重要です。