空腹感を解消するには、何をすればいいのでしょうか。
そもそも、「空腹感」とは脳が空腹を感じることです。つまり、実際に胃袋の中がからっぽかどうかではなく、脳が「私は腹が減った」と思っている時に感じる感覚です。その証拠に、手術で胃を完全に取り去った人でも空腹感を覚えます。
実は、空腹感とは脳が「身体にエネルギーが足りない」と認識することによって発生するものです。この場合のエネルギーとは、糖質です。つまり、空腹とは脳が糖質を必要としている状態を指します。
体内にエネルギーつまり栄養を補給しているものは、もちろん血液です。この血液はそれ自体が体内機能の維持のために、自らの構成要素を一定に保とうとします。その中のパラメータのひとつに「血糖値」があります。
血糖値は、身体がエネルギーを取り込む(食事や点滴などで栄養素を吸収する)と上がり、長期間食事をしなかったり、運動してエネルギーを消費したりすると下がります。そして、血糖値が低下した状態が続くと身体の活動レベルも低下します。
身体の各機能つまりいろいろな臓器は、それぞれがその機能を維持するためにエネルギーを補給するしくみがあります。例えば長期間外部からのエネルギー補給がないと、身体は体内に蓄積されている脂肪を分解してエネルギーに変換し、活動を維持します。
しかし、脳は体内の他の臓器と違って、エネルギーとして使用できるのは血液中の糖質だけです。よって、血液中の糖質が不足する、つまり血糖値が下がると脳はエネルギーの補給を求めます。これが、具体的には空腹として認識されます。空腹感は脳の機能維持のための信号というわけです。
ただし血糖値だけが空腹感の元かというとそうではなく、もちろん胃も関係しています。食事をしないでいると、胃の中の食物がなくなり、相対的に胃酸が増えます。この胃酸の刺激が脳に信号を送り、空腹感として認識されるわけです。
以上のことから、空腹感を解消するためにはまず、食事をすることです。ダイエットなどであまり食事をとりたくない場合は、とりあえず血液中の糖質を補給するために飴玉を舐めるのが効果的です。飴玉はほとんどが糖質ですので、少ないカロリーで空腹感を解消できます。また、水を飲むと胃の中の胃酸濃度が薄まるので、多少の効果があります。
ガムを噛むことによって、ストレスを紛らわせて空腹感を誤魔化すこともできます。ダイエット用のキャンディーやガムも市販されています。